2007年08月07日 14:12

インランド・エンパイア

「マルホランド・ドライブ」から5年、デビッド・リンチの新作。大阪ガーデンシネマでは既に夜一回のみの縮小上映。

タイトル : インランド・エンパイア (Inland Empire)
監督 : デビッド・リンチ
出演 : ローラ・ダーン
公開年 : 2007

まさに3時間のリンチ地獄。「マルホランド」の青いキューブのくだり、もしくは「ツインピークス」最終回の赤い部屋のくだり、あの感じを濃縮した3時間です。民生品の上位レベルクラスのデジタルカメラで撮影することによってコストを下げて、自主制作作品扱いでやりたい放題作ったらしい。

脚本もストーリーも事前に用意せず、その場その場で断片的に撮影した映像を繋ぎ合わせた作品、というやりたい放題ですが、そのわりには「なんとなく」ストーリー的なものを感じ取ることはできたし、ストーリーの連続性を無視して緊迫感のあるカットが徹底して連続されて、3時間の長丁場、全く退屈することもない。別にお化けが出るでも凄惨な殺人があるでもないのに、何故かやたら恐ろしい。

Inland Empire / David Lynch「マルホランド」や「ツインピークス」は初見こそさっぱり理解できませんでしたが、2.3回と見るうちに自分なりの解釈をできる程度には至りました。が、それらが子供向けに思えるほど、「インランド」は難解。 思わせぶりなだけで意味なんて無いのかもしれない。でも単なる実験作品と切り捨てることは不可能で、解釈を放棄しても十分に感じるものはあるし、迷路に深入りする喜びも山ほど用意されているという意地悪さ。「イレイザーヘッド」に一番近い印象です。

あと、リンチと言えば音響。映画スタートと同時に鳴り響くリンチらしい重低音のインダストリアルな「ブワーーーン」というノイズ一発で大感動です。他にも「ピキピキ」や「ドカーン」など、音響への偏質的なこだわりも相変わらず冴えていて、しっかりした映画館の音響システムで鑑賞する価値のある作品です。ノイズ以外にも、これも相変わらずですが、50年代趣味丸出しのインストも格好良い。CDでしっかり聴きたいですが、アメリカでもまだ出ていない様子。

Review : 2007年08月07日 14:12

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