2007年11月13日 16:58

ひこにゃん騒動

出身地での出来事なので、一言。

■ ひこにゃん:作者が使用取り消し求め調停申し立て 彦根城キャラ(毎日)

募集要項は「キャラクターの一切の著作権は実行委に帰属する」「同委が許可した団体等のホームページや出版物、PR用ツール等に対して自由に使用する」と規定。しかし、彦根市が今年3月、ひこにゃんの商標登録を申請。さらに、実行委は三つの図柄以外の類似デザインや、ないはずのしっぽがあるぬいぐるみなどの立体商品、「ひこにゃん音頭」など音楽CDの発売も承認した。キャラクターやロゴの使用申請は1000件以上にのぼる人気になっている。これに対し、もへろんさんは「祭のPR目的を超えて営利目的で利用され、募集要項に反する」「適正なキャラクター管理を行わなければ、粗悪品が販売される」などと主張し、使用承認の取り消しを求めている。さらに、実行委がひこにゃんの性格を「お肉が好物で、特技は、ひこにゃんじゃんけん」などと設定した点も「作者が意図しない性格付けを黙認してキャラクター管理を放置している」と批判している。

話の大前提として、どういう契約を結んでいるのか、そこがわからないと何を言っても推測の域を出ない話です。メディアでの扱いをみると「せっかくのひこにゃん人気なのに、絵描きが金に目がくらんでゴネてやがる」という流れで固まっているようです。

彦根市とイラストレーターの間に「企画会社」が入っているようで、当然ここが裁判沙汰にせずに解決させるべき問題と思います。が、どういうわけか、この企画会社が交渉に応じないとかで、今回の話の核心はここでしょう。

「100万円で権利を買い取った」と市は言ってますけど、その何パーセントが作者に行ったのか。未確認情報では1割(10万)という話もあり、涙を禁じ得ません。企画会社が9割分の仕事をしてればこんな誰も得しないような状況にはならなかったでしょう。

ひこにゃん権利を買い取ったからといっても、キャラクターグッズの品質管理(同一性保持の部分)は行うべきで、実際問題、この前彦根に帰省したときに「四番町スクエア」ひこにゃんグッズ特設コーナーを見に行きましたが、権利フリーの旗印のもと、クオリティーの低いひこにゃんの絵が書かれたグッズも多く、もへろん氏(イラストレーター)が文句を言いたくなる気持ちも非常によくわかります。「裁判なんかせずに、ひこにゃんの作者としての実績をうまく使えよ、損して得取れだ。」みたいな話もよくききますが、このインチキひこにゃん氾濫を放置し続けると、実績どころかマイナスのほうが大きくなるんじゃないでしょうか。

また、ひこにゃんに関して疑問なのは、ここまで人気が出たら、もへろん氏に追加でどんどん絵を描いてもらって、それを新たにグッズに、なんてことも考えると思うんですけど、そういう動きがまったくない。それどころか、新たに書かれたイラスト満載の絵本「ひこねのよいにゃんこ」がひこにゃんグッズとしての市の認可を得られず、ひこにゃんの名を使わずに出版されているという不思議さ。お役所的な対応ということなのか、出版社も絡んだもっと権利ビジネス的な何かなのか、最初っから揉めていたということなのか。

最初にも書きましたけど、この3者がどういう契約を結んでいるのか、そこがわからないと何も見えてこない話ではありますが、予想以上にひこにゃんの人気が盛り上がってしまった上に権利フリーなんていう前代未聞なこともやってしまい、契約が穴だらけのような状況と推測します。そもそも、この権利フリーという条件を快諾した上でもへろん氏は仕事をしたのかどうか。

彦根市がキャラクタービジネスのノウハウなど知るわけも無く、22歳のイラストレーターがグッズの売り上げ金額に応じて段階的に条件が変化するような複雑な契約を求める事も難しく、やはりこの両者の間に入っている「企画会社」という名の代理店、ここが今回どういう動きをしたのか・しなかったのか。また、もへろん氏が訴える相手が、なぜ代理店ではなく彦根市なのか、そこらへんに一番関心があります。

News : 2007年11月13日 16:58

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