2008年04月18日 15:28

追記あり:Wagon Christ - Sci-Fi Staircase (Tahnaiya Russell Remix)

Tahnaiya Russell a.k.a. Aphex Twin。YouTubeにて発見しました。

(※ページ下部に追記があります)

2006年の曲です。公式にはリリースされていないはず。

元曲はWagon Christ(Luke Vibert)で、アルバム「Sorry I Make You Lush」に収録されてます(→ Amazon)。

なによりも、このリミックスの背景にあるエピソードが面白すぎます。

■ Aphex Twin Wins Future Music Remix Competition!(WATMM | Aphex Twin News)

Sometimes reality is stranger than fiction, and it appears that in this case, that rings true - Richard entered a track in the Future Music Remix Competition (the goal was to remix a Luke Vibert track) under the alias of "Tahnaniya Russell", and won! Next month's Future Music magazine will have an interview with Richard (claims he's downright candid, unlike other interviews). Future Music decided to pick a co-winner (since Richard didn't really need the grand prize of sample CDs) so the runner up Michael Stephens was chosen. Quite the honour to have been beaten by one of the best out there.Vibert describes Tahnan-er, Richard's remix as "Relaxed and sophisticated, but with large balls and huge bass".

Luke Vibertの評「Relaxed and sophisticated, but with large balls and huge bass」の「huge bass」はわかりますが「large balls」ってどういう表現なんでしょうか。慣用句的な表現? シモっぽくもある。「リラックスしてて洗練されてて、それなのに凄いガッツがあるしデカいベースまで入ってる」ってところでしょうか。

wikipediaに記事の要約が有ります。

■ エイフェックス・ツイン(wikipedia)

イギリスの音楽機材雑誌「Future Music」にて行われたWagon Christ(Luke Vibert)のリミックスコンテストにて、Tahnaiya Russellなる謎の人物が優勝。Lukeが「これはダントツ!最高のAcidラインだよ!」と語るそのリミックスの作者は、実はRichard D. Jamesだった。

「これはダントツ!最高のAcidラインだよ!」は別の記事のコメントなのか、意訳しているのか。本家のwikipediaには「large balls and huge bass」しか載ってません。でも、確かに最高のAcidラインです(追記 2015/2/5:元記事のスキャンを発見、「Top Acid Lines!」のコメントが有りました →スキャン画像)。

追記:2015/2/5

2015年1月末に始まったAphex Twinの未発表曲公開祭(→記事)の中に、この記事で取り上げたWagon Christのリミックス大会の優勝曲と思われる曲「luke vibert spiral staircase [future music competition] [afx remix]」がありました。これが、この記事の最上部に貼った動画の曲とまったく違う曲でした。下の曲です。

原曲の素材やメロディをしっかり生かしたリミックスらしいリミックスです。記事の内容の間違いをお詫びして訂正します

ということで、じゃぁこれまでTahnaiya Russellのリミックスだとされていたテンポの早いアシッドな曲、通称「scirem」は一体どこから出てきたのか、一体誰の作品なのか、ということになってきます。

で、一体どこから出てきた音源なのかについて、いろいろネット検索してわかったことを下に箇条書しておきます。

1)大会の優勝者がRDJだということは雑誌上で発表されたものの曲自体は配布もリリースもされず、今回Soundcloudにアップされるまで、関係者以外、誰もどのような曲なのか聴いたことがなかった模様。

2)2006年にLuke Vibertがこの曲をDJでプレイした。その様子がBBCで放送された(→その音源:一番最後の曲)。

3)このBBCのラジオの音源から最後の曲を切り出したものがWATMMなどに投稿され、これが優勝曲ではないか?と疑惑が提示された。確証は出ず。

4)2007年にRDJがライブ(DJ)でこの曲をプレイした。

5)疑惑は疑惑のままで、この通称「scirem」が優勝曲であるという確証は見つからなかったが、いつのまにか伝言ゲーム的に情報が広がる過程で、これが優勝曲と決めつけられた。

じゃぁ、この曲は一体誰の曲なのか、という点については、この曲はRDJの作品であると断言して良いだろうという確証に近い情報が、つい最近発見されました。

ブログnoyzelabに投稿されたRDJのインタビュー(SYROBONKERS!)に合わせてSoundcloudに投稿された、モジュラーシンセで作られたトラック「buchla 200 quad eg fm osc fb network edit master edit+3」の中に、通称「scirem」に使われたシンセフレーズに似た音が発見されました。発見したのは(自分が調べた範囲では)WATMMのZeffoliaさん(→WATMM)。下の動画の5分35秒あたりから聴けます。

この曲の中で聴ける高音が高速で鳴らされたようなノイズが、通称「scirem」の33秒のポイントで使われています。気付いた人すごい。

あと、上のLuke VibertのDJ音源を聴いて初めて気付きましたが、曲冒頭のキラキラキラ~というシンセの音は、Luke Vibertの変名Spac Hand Lukeの曲「Sidthug」のアウトロ部分でした。

あと、推測ですが、曲の途中で荒っぽくカットインされるハイハットや、逆回転したりするブレイクビーツの音、2分付近のリズムに合わせてのミュートなど、実はLuke VibertがDJミキサーで音を足したり引いたりしてるんじゃないかと思いました。元の曲はもっとシンプルな曲なのではないでしょうか。正式なリリースを待ちます。

News : 2008年04月18日 15:28

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