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2008年05月09日 16:03
Supreme Balloon - Matmos
ゲイのおしどり夫婦ユニット「マトモス」の新作はオール・シンセサイザー・アルバムです。
サンプリング帝王であるHerbertのレーベルが出自であるチャキチャキのサンプリング原理主義者・マトモスが、ここにきてオールシンセサイザーのアルバムです。オールシンセサイザーというコンセプトへのマトモスの答えは、いわゆる「ムーグもの」の現在形を示すようなサウンドでした。
もろにスイッチオンバッハ風の「Les Folies Francaies」に顕著なように、ジャン・ジャック・ペリー、ガーション・キングスレイ、ディック・ハイマン、ウェンディ・カーロスなどなど、ムーグの巨匠達への尊敬がビシバシに感じ取れるサウンド。一番近いのはLisa Carbonのセカンドかな?(→ Amazon) 耳にやさしくない高音のノイズや奇妙なサンプルのコラージュなど、これまでのマトモスの曲に強くあった毒の部分が薄らいでいるので、聴き易さだけを言えばマトモス史上で一番聴き易いアルバムです。
一番の聴き所は、やはりアルバムトータルタイムの半分近くを占める、24分にも及ぶタイトル曲「Supreme Balloon」でしょう。協奏曲と呼ぶにふさわしい、荘厳なシンセサイザー大作です。90年代初期のアンビエントテクノを、タンスサイズのモジュラーシンセだけで作り直したような不思議な質感の曲。この路線で何枚もアルバム出して欲しい。
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Review : 2008年05月09日 16:03
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