2008年06月23日 14:33

Deep Space - Model 500

Deep Space - Model 500デトロイトテクノ再発ラッシュ。

タイトル : Deep Space
アーティスト : Model 500
レーベル : R&S
リリース年 : 1995/2008
試聴 :

最近のおもなデトロイトテクノ再発CD一覧。

などなど、近年デトロイトテクノ名盤の発掘作業が活発にすすめられています(AmazonよりHMVのほうが入荷に熱心な様子)。偶然か必然か時流に乗っただけか、かつて多くのデトロイトテクノをヨーロッパに紹介していたベルギーのR&S recordsが復活して再発のスピードに加速度がついて、この度めでたく入手困難だったテクノ創始者であるJuan AtkinsのソロプロジェクトModel 500のアルバム「Deep Space」がリマスターされて再発される運びとなりました。

「Deep Space」のエンジニアは元Palais Schaumburg、MORITZ VON OSWALD。泣く子も黙るBasic Channelのモーリッツオです(元Palais Schaumburgは全員偉大な仕事をしてますね。このバンドこそ今再結成するとしたらどんな音を出すんでしょう)。1995年の時点でテクノに「ミニマルでダブ」な方向性を示した作品として、テクノ史上にとってエポックになる作品、というのがこの「Deep Space」への教科書的説明です。

というのを頭に入れて今回初めてアルバム全編を耳にしました。思ったよりミニマルな印象は薄く、ミニマルといっても、最近のミニマルのような「水だけで一週間」レベルのストイックなところまで行っておらず、エレクトロあり、ハウスあり、いわゆるデトロイト的な叙情的なシンセが鳴るものあり、クラフトワークあり、1995年リリースという時代性なのでしょう、まだテクノが細分化する以前の、幅広い音楽のエネルギーを抱えこみ過ぎて爆発を起こす直前のThis is テクノというべき懐の広い作品です。

▲ Model 500 - I Wanna Be There

この「I Wanna Be There」が一番いわゆる「デトロイトテクノ」っぽい曲じゃないでしょうか。

他の曲も含め、ドラムもシンセもプリセット的音色ばかりなのに、フレーズの組み合わせ方、抜き差し、曲の構成如何で、ここまでイマジネーションを刺激するでっかい音楽に成りうるとは、さすが文字通りテクノのオリジネイター、自分もやってみたい!と聴いた人に思わせるパワーがありますし、事実、ホアン・アトキンスを起点にテクノの胞子が超スピードで世界中に拡散したのも当然のことと頷けます。

ところでこのCD、ケースがプラケースなんですが、角が丸くなっていて、これって結構珍しいですよね?

CDケース 丸み

ジャケットのデザインはDesigners Republic。裏ジャケの曲目リストに3曲目「The Flow」が書かれていないのは、オリジナルを尊重して誤植もそのままにして再発しているからなのでしょうか?(追記:調べたら旧盤にはちゃんと「The Flow」表記されてました。よーく見ると裏ジャケに使われてるフォントが全部違う。作り直した? → discogs

Review : 2008年06月23日 14:33

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