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2008年07月05日 18:34
Tooth of Crime - T Bone Burnett
USルーツミュージック裏番長。
エルヴィス・コステロやボブ・ディラン、多くの映画サントラ等、偉業の数々についてはさておくとして、南部アメリカ音楽界きっての鬼才プロデューサー、最近はRobert Plantとバンドを組んでツアーするなど多忙を極める中、前作「The True False Identity」から2年という意外な短期間で届いたニューアルバムは、脚本家で劇作家で俳優のサム・シェパード(Sam Shepard)が1972年に公演したSF音楽劇(?)「The Tooth of Crime」(→ Wikipedia)に影響を受けて作られたというダークカントリー。
数少ない明るい曲調の曲、Roy Orbisonとの共作「Kill Zone」がとりわけ素晴らしい。弦楽器・管楽器の不思議な和音で丁寧に綴られた美しいバラード。サイケデリックな印象を感じる不思議なエフェクト処理が施された曲が多いからか、枯れた感じは薄いです。
前作「The True False Identity」(→Amazon)も暗かったですが、今作「Tooth of Crime」もそれに輪をかけて暗い。KILLだったりDEATHだったりDARKだったりの単語が歌詞に頻繁に登場します。いまだ現在のアメリカの何かしらについて激怒継続中なのでしょう。英語ネイティブの人が聴いたら閉塞感が強過ぎて聴き辛いくらいかも。
脇を固めるのは毎度おなじみMarc Ribot、嫁さんSam Philipsがコーラス(デュエット曲もある)、Beatles関連のサポートで有名なJim Keltnerが全曲でドラムを担当(こんな伝説ドラマー使ってるのにドラムの音がエフェクトでボコボコな曲も多数)。あと個人的に驚愕したのは、1983年-1988年の間Princeの専属エンジニアを務めたSusan Rogersが数曲で録音を担当しています。引退して科学者になっていたはずでは?
Review : 2008年07月05日 18:34
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