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2008年12月10日 09:54
Convivial - Luomo
Vladislav Delayの人のハウスの時の名義、4枚目のアルバム。
2000年、この名義での初アルバム「Vocalcity」、2004年、大ヒットした「The Present Lover」、2006年、ハウスどこ吹く風な実験的色彩の「Paper Tiger」、そして2008年はこの「Convivial」です。
これまでの全作をしっかり聴いてきたわけでもないのですが、この「Convivial」はこれまでの中で群を抜いて一番好きです。何にそんなに自分が引っかかっているのか旧作と聴き比べてよく考えました。多分ボーカルです。
旧作ではボーカル全体にふんだんにかけられていたエフェクト(ディレイやリバーブ)が、今作では絞られたものになっていて、ポップスを聴くようにボーカル中心に安心して聴き入れるのです。また、これまでの作品は気だるい女性ボーカルばかりでした。一方で今作は、Scissor SistersのJake ShearsやRobert Owensなど、8名のボーカリストが参加していて、アルバムにメリハリがあるのも聴き易さに繋がっているかもしれません。
ボーカルと同様に、シンセなどのバックトラックの音数やエフェクトも激減しています。音がすっきり整理されていて非常にクリア。ドロドロのディープなダブをやってきたVladislav Delayが、別名着とはいえこれでいいのか、よくわかりません。個人的には大好きな音です。ベストトラックは4曲目「Nothing Goes Away」。
LuomoはもはやVladislav Delayのハウスバージョンではなくて、Luomo独自の方向性を確立したのでしょう。それはクリックハウスともエレクトロハウスとも全然違っていて、もっと丸みがあってしなやかで、なんというか…凄く普通。そこが良いのです。
Review : 2008年12月10日 09:54
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