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2009年03月02日 15:57
Slumdog Millionaire サウンドトラック
アカデミー賞総ナメ『スラムドッグ$ミリオネア』はサントラが素晴らしい!
ダニー・ボイルが監督でM.I.A.が主題歌ってことは、まぁ今のUKのテイストがわかりやすくちりばめられたセンスのいいコンピレーションっぽいサントラかな? シリアスな感動作らしいから、ポップスは主題歌だけで、他はハリウッドらしいフルオーケストラかな? なんて推測をしていたら、大間違いも大間違いのインド人ダンス大会。
M.I.A.の「Paper Planes」とその曲のDFAリミックス以外は、ほぼA.R. Rahman(A.R.ラフマーン)という人が全曲手掛けています。A.R. Rahman、そう、「ムトゥ 踊るマハラジャ」の音楽を手掛けたインド映画界の巨匠です。
「ムトゥ 踊るマハラジャ」の時も、ヤケクソなくらいにポップなのが面白いな、意外にインド音楽って今風なんだな、くらいの上から目線の失礼な好意を抱いていましたが、そんなもんじゃなかった。これがもう、素晴らしいハイクオリティな内容です。
「スラムドッグ$ミリオネア」で聴けるこのサウンド、一体何なんでしょう、伝統的なインド音楽と、IT先進国となった今のインドの姿がガッチリ音楽の中でミックスされています。「ムトゥ」の能天気なダンスミュージックではなくて、アメリカのポップスが一時期バングラを積極的にビートに取り入れてたのを、インド側が再咀嚼・再吸収したような雰囲気があって、より地に足のついた、現代的でシリアスな内容です。ケータイ小説のコピー風に表現すると「これがあたしたち、今のインド人のリアル。」というところでしょうか。
インタビュー(→Link)よると、ダニー・ボイル監督から「俺の映画にはチェロを使うな」と指示が有ったとか。ストリングスで感情を表現するような、いわゆる定番ハリウッド的な音楽を避けたという風に取れます。
とにかく音のクオリティが凄い。空間の広がり方がとてつもなく凄い。大音量やヘッドホンで聴くとラフマーンと他のアーティストの音の鳴り方が違い過ぎていて、その緻密さに圧倒されます。
色んなボーカリストが次から次へと歌います。恐らく皆インド第一級のボーカリストなのでしょう、そのボーカルが右に左にエディットされて飛び交う飛び交う。超絶テクニックで歌ってるボーカルを惜しげなくカットアップしてグライムっぽいビートに乗っけたりしてるんですよ。
なんという贅沢な音。生のパーカッションやストリングスが豪華に鳴っているのも、やっぱりアウトソーシング大国インド、人件費の安さの成せる技なんでしょうか。生っぽいけど生じゃないのかな?どっちにしても凄い。
アカデミー賞で最優秀主題歌賞を取った「Jai Ho」という曲は映画ではエンドクレジット時に流れるそうで、大ダンス大会になるんだとか。
YouTubeでダンス大会の映像も見られますが、ジッと我慢の子、映画公開を待ちます(上に貼ったのは音楽だけが流れるものです)。早く大画面大音響で聴いてみたい。
Review : 2009年03月02日 15:57
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