2009年03月26日 11:30

音楽SNS「Last.fm」ラジオ機能が有料化(ただし英米独は無料のまま)

一難去って、また一難。

■ Last.fmラジオに関するお知らせ(Last.fm)

本日、Last.fmラジオのご利用方法が一部の国で近く変更になることを発表致します。米国/英国/ドイツでのご利用について変更はありません。これ以外の国では間もなくLast.fmラジオ再生時に3ユーロの月会費が必要となります。この変更にあたり対象国のユーザーの皆さまには、Last.fmラジオで30曲の無料試聴をご提供致しますので、引き続きラジオをお楽しみいただき、有料メンバー登録をご検討くださるようよろしくお願い致します。Last.fm のその他機能(Scrobble、おすすめ情報、チャート、バイオ、イベント、動画等)につきましては従来通り全世界無料です。

自分が活用している数少ないソーシャルネットサービスのひとつLast.fm。Last.fmのサイト名は「Last FM Station you ever need(あなたに必要な最後のFM局)」という意味。

Last.fm

ラジオ機能を使わずとも、自分の音楽履歴をまとめるサイトとしての価値は十分あります。でも手放すのは惜しすぎる。このラジオ機能はメチャクチャ素晴らしいくて、やっぱりLast.fmの魅力の半分以上はラジオの魅力といっても間違いないでしょう。「Rephlex系のを聴かせて」とか「このユーザーが聴いてるのを聴いてみたい」とか「自分の好きそうなのをかけて」なんてのが簡単にできて、アーティストの説明・その曲の収録されてるアルバムの説明も詳細、もちろん曲はフルで聴けて、1再生ごとにアーティストにもしっかりお金が支払われる仕組み(音楽レーベルと契約してない個人でもOK)。

さて、有料になる理由として書かれているのは以下の文章。

今後も皆さまに WEB上で最高の音楽サービスを提供していくため、米国/英国/ドイツ以外の国でご利用いただく Last.fmリスナーの皆さまには、月額 3ユーロの有料メンバー登録をお願いする運びとなりました

「日本はJASRACに払う金額が大きすぎる」とかわかりやすいことを言ってくれたら諦めようもあるのですが(いや、それはそれで無いか)、本当に上の文章が理由だとするなら、米国/英国/ドイツ以外だけが有料化から除外される理由としては納得しづらいものがあります。良いほうに解釈すれば、ユーザーからお金をとる理由がないくらいにその3国は法整備や著作権管理のシステムが進んでいたりするからなのか、悪いほうに解釈すれば、かさむ運営費、主要国である米国/英国/ドイツのユーザーを守るためにその他地域を切り捨ててラジオのトラフィックを軽減させ、レコード会社に支払う使用料を抑えたいということか。

案の定、Last.fmの公式ブログのコメント欄は苦情でいっぱい(→Link)。Fで始まるあの4文字が大漁です。

So I’ll have to pay for it so US, UK and Germany people can use it for free? F*ck You, La$t.fm!
Today was the last day I ever connected to Last.fm. I don’t live in the US, UK or Germany and there’s no way I’m going to pay for someone else to enjoy your service for free.
That’s really uncool, Last.fm..Listening free to recommendations was the just that unique thing about last.fm, and now it’s gone.. I think last.fm will lose alot of members..
I will refuse to pay for last.fm as it is. You really have to go Spotify style if you wish to get a penny of my pocket.
Fuck you from Russia, fasist swine
In some parts of the World??? Almost in all the world!!! 3 euros is a lot of money for Colombia.

最後の「コロンビアじゃ3ユーロは大金だよ!」はキツい。

多くの意見は「US UK Germanyの連中をタダで楽しませるためにオレらに金払わせるなんてふざけるな」というもの。もっともです。「バイバイ、Spotifyにいくわ」みたいな投稿も多く、Spotifyというのが同様のサービスをやっているよう。知らなかったので調べてみたい(→Link:招待制音楽SNSで、使える国はまだ少ない)。

まぁ、財布に余裕があったら月3ユーロ払う価値はあるのかもしれないですけど、FAQをみると今のところPayPalでの支払いにしか対応していないようで、これは面倒くさい。なにより、それまでタダだったものにお金を払うのは心情的にマイナスにしか作用しないです。有料化は3月30日から。あと4日しか猶予はありません。

日本でのLast.fmはなかなかに困難な道を歩んでいます。今見たら自分は2005年3月27日から使い始めてました。2006年7月にエキサイトが日本版の運営をスタート、この時になんとなく専用アプリケーションをバージョンアップさせたら日本語版になってしまい、ラジオ機能が制限されてしまいました。結局元のバージョンに戻すことはできず、ラジオ機能は復活できず。1年後の2007年11月、サイト内の奇妙な日本語翻訳のみを残してエキサイトが運営から撤退。ラジオ機能復活。そして2009年、今回の有料化です。次は?

追記(09/4/2):有料化が延期されました(→Link)。期限は不明。有料化への説明が書かれています。「だってお前らの国のレコード会社が広告出してくれないんんだもん」と読めます。

News : 2009年03月26日 11:30

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