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2009年05月25日 08:36
microKORGが100,000台突破 - 過去のヒットシンセの生産台数一覧
最近のシンセの中では堂々たる大ヒットです。
アメリカの楽器屋のブログに、コルグのセールスマンからの情報として書かれています。(via : MATRIXSYNTH)
■ Congratulations Korg!(Big City Music)
We were talking to our Korg sales rep. the other day and he mentioned that the 100,000th Korg MicroKorg keyboard just came off the assembly line. Unofficially that makes the MicroKorg the best selling synthesizer of all time. Amazing.
このソフトシンセ全盛時にリアルシンセが生産台数10万台というのは凄い数字です。
microKORGは2002年に発売開始された、ミニ鍵盤のシンセサイザーです。ボコーダー機能も搭載していて、操作も簡単。でもシンセのエンジンはMS2000と同等のもの。最近microKORGXLという上位機種が発売されています。
上の楽器店のブログには「非公式ながら、microKORGは史上最も売れたシンセになる」と書かれています。これは間違いで、ネットを調べると史上一位はKorgのM-1。自分のイメージではDX-7が独走と思っていました。M-1の何が凄かったのかと言えば、これはオールインワンシンセの先駆けなんですよね。複数の音を重ねることの出来る高性能シーケンサーを内蔵して、これ一台だけで音楽が完成できるシンセです。これ以降M-1並みのシーケンサー内蔵はシンセのスタンダードになりました。実際、デビュー時のケンイシイなんかはM-1一台だけで作っていたと聞きます。
以下、見つけることのできた主なシンセサイザー・電子楽器の生産台数のデータです。Wikipedia等ネットから拾ったかなりあやふやなデータ中心ですので、参考程度にどうぞ。? がついているのはさらにあやふやなデータです。
- Korg M-1 (1988) … 250,000
- Yamaha DX7 (1983) … 160,000
- Roland D-50 (1987) … 100,000?
- Korg Poly800 (1983) … 100,000
- Casio CZ-101 (1984) … 68,500
- Roland SH-101 (1982) … 50,000
- Ensoniq ESQ-1 (1987) … 50,000
- Roland Juno 106 (1984) … 40,000
- Roland Juno 6/Juno 60 (1982) … 30,000
- Akai S1000 (1988) … 22,000
- Korg Poly-61 (1982) … 15,000
- Roland TR-808 (1980) … 12,000
- Roland TR-909 (1983) … 10,000
- Roland TB-303 (1982) … 10,000?
- Moog Memorymoog (1982) … 3,500
- ARP 2600 (1971) … 3,000
M-1は圧倒的です。ESQ-1がこんなに売れてるというのは意外でした。これもオールインワンシンセの先駆けのひとつ。ブレイクビーツ文化を生み出した大ヒットサンプラーのAkai S1000がこの程度の数字というのには驚きましたし、TB-303がこの地球上にたった1万台しか存在しないというのもショックです。いっぽうで、3万台以上存在するような80年代前半のヒットシンセは、高校生がアルバイトして買えるような安価なものが中心。やはりテクノポップ・エレポップブームというのはこういうところに起因しているようです。
90年代のデータがあまり見つけられませんでした。90年代のヒットシンセといえば、MC303? サンプラーのS01は結構持ってる人がいました(自分も買った)。サンプラーと言えば肝心なMPC2000を忘れていました。これが一番90年代的な電子楽器といえるかもしれません。どれくらい売れたんでしょう(調べましたがわからず:基本的には電子楽器の生産台数・売り上げ台数は非公表のようです)。他に10万台近く売るようなヒットアイテムがあった印象はありません。
上のブログの、「microKORGが史上最も売れたシンセ」というのは確かに間違っているのですが、「史上最も売れたアナログシンセ」ということではPoly800と肩を並べる位置にあることになります。90年代後半から始まったアナログシンセ復権がこういう形に結実しましたか。でもmicroKORGはDSPアナログモデリングだから厳密にはアナログシンセではないのか。この辺の難しい区分けは専門家に任せましょう。
そういえば、と思いKORGのKAOSSILATORはどうなんだろうと調べてみたら、相当売れているらしいということはわかりました。
■ 指でなぞって曲作り “ニコニコ時代”の手のひらシンセ 「KAOSSILATOR」 (ITmedia)
そして、飛ぶように売れた。「ある程度は売れるという確信はあって多めには作っておいたが、想像以上に売れてしまった」(水原さん)。売り上げ台数は非公開だが、「鍵盤楽器の売れてるモデルの10倍ぐらい」(水原さん)の勢いで売れているといい、発売から半年近く経った今も、生産が追いつかないほどの人気。
コルグの人の言う「鍵盤楽器の売れてるモデル」が何を指すのかはわかりませんが、ひょっとすると、実はKAOSSILATORこそが「史上最も売れたアナログシンセ」で、さらに「史上最も売れたシンセ」という可能性も。
News : 2009年05月25日 08:36
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