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2009年06月23日 10:41
This Is It And I Am It And... - Marnie Stern
正確なタイトルは「This Is It And I Am It And You Are It And So Is That And He Is It And She Is It And It Is It And That Is That」。
ニューヨークの女性アーティスト、マーニー・スターンのセカンドアルバム。Deerhoof、Battles、Lightning Boltなんかを引き合いに出されるような落ち着きの無いサウンドで、ドラムを叩くのはHellaのZach Hillです(プロデュースも)。
三十路女性がヴァン・ヘイレンよろしくライトハンド奏法でピロピロやって高音ヴォイスでキーキー騒ぎたてる、ドラムはドタバタと複雑怪奇なビートを叩き続ける、これが40分ずっと続くという、聴くタイミングを間違えば完全に精神をやられてしまいそうな音楽です。ところが不思議と親しみやすいメロディが何層にも重なっていて、問答無用の一本調子ハイテンションに巻き込まれたら最後、取りつかれたように何度も繰り返し聴いてしまいます。
緻密な構成の曲をやるバンドにあるキリキリした緊張感は無くて、シリアスさも無ければ可愛らしさもあんまり無い、ひたすら開放的。毎日7時間練習して維持しているというキラキラしたギターと、天性のキンキンしたボーカルの素晴らしいコンビネーション、これぞロックンロールです。
当初タイトルは「Marry Me」("Arrested Development:ブルース一家は大暴走"からの引用)にするつもりだったけど、女性シンガーソングライターのSt. Vincentが先にそのタイトルのアルバムを出してることがわかったのでボツ、結果付けられたこの長いタイトルは、禅・俳句・仏教など東洋思想の著名な研究者Alan Wattsからの引用。なんだか全くわかりませんが、「みんな最高、Let's Do itやで」くらいのポジティブな意味合いだそうです。
Review : 2009年06月23日 10:41
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