matsu & take

シカゴの人気DJ、Felix Da Housecatがサンプルの無断使用でドイツの人気DJ、DJ Hellを批判しています。

米R&B界のプロデューサーP. Diddyの語りを大々的にフィーチャーしたDJ Hellの新曲「The DJ」、Hellのニューアルバム「Teufelswerk」に収録されています。この曲の全編に響き渡るP. Diddyの声が、実はFelix Da Housecatが2003年に「Jack U」という曲をP. Diddyと共作した時に録音したもののようで、それがFelixに無許可で丸々使われているとして、FelixがHellを強く批判しています。

「The DJ」に流用されたというP. Diddyの声は「Jack U」制作時のアウトテイクのようで「Jack U」には使われていません。アカペラでシングルに収録されていたり、仲間内でプロモ盤が流通したりしたのでしょうか？ 2005年にSoulwaxが同じものを使っていたそうです。

P. DiddyがFelixの名前を言っている冒頭部分だけをカットして使っているというのもマズかったようで、その上、サンプルの使い方のスタイルも、FelixがP. Diddyと共作してこの夏にリリースされた「Lectro Black - Last Train to Paris Mixtape」と酷似していると主張しています。

Felixは自分のサイトにDJ Hellの顔に「Thief（泥棒）」と大書きした写真を掲載したり（今サイトを見たら削除されていました →Link）、Twitter（@theerealfdhc）でHellへの中傷を連発したり、大層おかんむりのご様子です。

DJ Hell why do u keep on Stealin' my $h*t releasing it with No permission>>? Im gonna have 2 expose you! your a DICK!

Dj Hell u a Liar. U got clearance from @iamdiddy but u didn’t get permission from me fuker! I produced dat shit what a jerk!

Am I bitter? YES! am I ranting? YES! should I stop? Maybe..But guess wht? I refuse 2 give 23 years of my career 2 A thief Like DJ HELL!

アンサーソングということなのか、Felixは同じサンプルを使って「Dr. Bop Ft. Diddy」という曲を作って公開しています（→Link）。P. Diddyのアカペラも公開されています（→Link）。ここまで来ると話題作りのためにプロレスやってるの？という感も出てきてしまいますが…。

この批判に対して、DJ Hellは以下のステートメントを出しました。

■ DJ Hell responds to plagiarism accusations（Resident Advisor）

This week sees the release of DJ Hell's latest single "The DJ" featuring P. Diddy, the third installment in a trilogy, which began in 2003 with "Let's Get Ill" feat. Kelis, followed by 2005's "Jack U." Their latest collaboration was approved by P. Diddy and Bad Boy Entertainment in January 2009, with contracts issued by their law firm Grubman, Indursky & Shire, P.C. Since that time International Deejay Gigolo records, under the A&R direction of DJ Hell, acquired a host of acclaimed remixes, which all passed through P. Diddy's office for approval and have subsequently found their way to your local record store.

「バッチリP. Diddyの許可とってまっせ」という内容。P. DiddyのほかにFelixの許可が必要なのかどうか、ここは契約問題だったり著作権の問題だったりなので厳密なところはわかりませんが、日本人的仁義感覚だとFelixにも声をかけるべき事柄のように思います。DJ HellのMySpaceのブログや、この記事を扱ったニュースサイトには、DJ Hellを批判するユーザーの投稿が多く見られます。ここはP. Diddyがしっかり間に入って仲裁すべきですね。

今週末の25日、HellとFelixはパリで同じイベントに出演するそうです。

■ 追記：09/9/23

たまたま今この渦中のDJ Hellの曲「The DJ」がNMEで無料配布されています（→Link）。ちなみにP.Diddyの声は「クソDJは4分バージョンしかかけやがらん。DJなら15分20分のバージョンをプレイしろ」というようなことを言っています。