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2009年10月30日 11:12
Tarot Sport - Fuck Buttons
Andrew Weatherallプロデュース。
ブリストル出身の二人組ロックバンド?テクノユニット?Fuck Buttonsのセカンドアルバム。
プロデュースはAndrew Weatherall。エンジニアはSteve Boardman。Fuck Buttonsのファーストアルバム「Street Horrrsing」に惚れ込んだウェザオールが、自らプロデュースをかって出て作り上げた音は、前作の荒削りで暴力的で実験的だった音からガラっと一転。ダンサブルでエレクトロニックで、なんならちょっと快楽的でセクシーに仕上がっています(デス声は撤廃)。そして、なによりメチャクチャ開放的です。Neu!などジャーマンプログレの開放感を連想しますが、「昔のロックが好きでやってます」的な後ろ向きな要素が皆無で、非常に現代的なサウンドです。
音空間の広大さは、今作「Tarot Sport」と前作の大きな違いです。この辺りにはダブ職人ウェザオールの仕事を感じます。いろんなロックバンドと異種格闘技をやっていた時期、Sabres Of Paradise前夜、90年代初期くらいのウェザオールの音を思い出す、なんでもありの雑食性の強い音です。
■ Fuck Buttons: Noise techno Olympians(resident advisor)
彼(ウェザオール)に少しでも口ごたえしたら野球のバットで頭をブン殴られるんだよ(笑)
Fuck Buttonsの一番の特徴でもあるシューゲイザー的な轟音シンセは、今作でもしっかりとギュワンギュワンと最前線で活躍しています。でも、引くときには引いて、「音の壁」の構成要素がワンパターンにならないように、シンセパッドやオルガンで代用したり補強したりと工夫されているので、延々轟音が続いても全く苦になりません。むしろ甘美。全7曲、一曲平均8分、うまいテクノDJのMixCDの如く、1時間で1つの世界・ストーリーを聴かせるような流暢さでアルバム一枚を止まること無くスイスイ聴かせます。
ロック&テクノでありながら、ロックのルールにもテクノのルールにも捕われていない、独創性ある音楽です。久しぶりに、他のなにとも似ていない新しい音楽を聴いたときに感じる喜びを感じました。
■ 関連サイト
Review : 2009年10月30日 11:12
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