2009年10月14日 09:51

かいじゅうたちのいるところ - サウンドトラック

かいじゅうたちのいるところ - サウンドトラック名作絵本を映像化したスパイク・ジョーンズの新作映画のサントラ。

[音楽/レビュー]
タイトル : かいじゅうたちのいるところ サウンドトラック(Where The Wild Things Are)
アーティスト : Karen O & The Kids
レーベル : DGC
リリース年 : 2009/9

「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」、数々の名作音楽PVでおなじみの鬼才スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)監督の新作映画「かいじゅうたちのいるところ」のサウンドトラックです。Yeah Yeah YeahsのボーカルKaren Oが制作を担当。Karen Oはスパイク・ジョーンズ監督の元恋人だそうです。

2008年ナンバーワンの子供合唱ソングがJustice「D.A.N.C.E.」(→YouTube)だったとしたら、2009年ナンバーワンの子供合唱ソングは、間違いなくこの映画のテーマ曲「All Is Love」です。

このサウンドトラックのアーティストクレジットは「Karen O & The Kids」。この曲以外の曲にも子供達がワーワーと賑やかに騒ぎ立てたり、静かなコーラスを歌ったり、聴いていてとても楽しいアルバムです。Yeah Yeah Yeahsはいかにもニューヨークらしいエキセントリックなガレージパンクっぽい音ですが、このアルバムはもっと子供っぽくて優しげな、木琴、ピアノ、アコースティックギターなど、生楽器中心のゆるやかなサウンドです。

絵本の世界を映像化したこの映画に、さぞピッタリはまっているんだろうな、と見る前から確信できる内容です。この子供っぽさは、無理矢理子供に歩み寄る類いのものではなくて、Karen Oの天然っぽいキャラクターと映画の内容と子供達の歌声が相互作用したものだと思います。

アルバムのハイライトの一つ、とても美しく輝く4曲目「Worried Shoes」はDaniel Johnstonのカバー。Yeah Yeah Yeahsのその他の2人をはじめとして楽器演奏でYeah Yeah Yeahs人脈が多数アルバムに参加しています。

子供達のコーラスを大々的に使ったメランコリーなロックでサントラを作るというアイディアは、CD「The Langley Schools Music Project - Innocence & Despair」からインスピレーションを得たものだそうで、下に貼ったサウンドトラックのメイキング動画の中でスパイク・ジョーンズ監督が語っています。

この「The Langley Schools Music Project」は76-77年に録音された作品で、カナダの小学校の先生が生徒達を体育館に集めてロックの名曲を演奏して、それを記録したもの。アウトサイダー音楽の評論家Irwin Chusidが発掘して2001年にCD化、評判となりました。映画「School of Rock」の元ネタとも言われています。

映画「かいじゅうたちのいるところ」の日本での公開は2010年1月。ちなみに映画の公式サイト(→Link)で流れている映画予告編の音楽はArcade Fire 「Wake Up」で(→iTunesStore)、サントラには収録されていません。

Review : 2009年10月14日 09:51

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