2009年11月19日 21:26

David Lynch 次作はビートルズに影響を与えたインドの導師マハリシのドキュメンタリー

「超越瞑想」の創立者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー。

デヴィッド・リンチが雑誌Vultureのインタビューの中で、準備中の新作映画がトランセンデンタル・メディテーション(Transcendental Meditation:TM、超越瞑想)の創立者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーを描いたドキュメンタリーであることを明かしています。

■ David Lynch on Going to India to Shoot His Next Movie(Vulture)

What is your next project?

I’m going to make a film on Maharishi Mahesh Yogi. It won’t be a so-called David Lynch film, really; it will be about Maharishi and the knowledge he brought out. It’ll hold a lot of abstractions. We’re on our way to India in December to start the India part of it.

「いわゆるデヴィッド・リンチらしい映画にはならない」そうですが、リンチがどういうドキュメンタリーを撮影するのかには興味が有ります。12月にはインドに入って撮影をスタートするとのこと。

それにしても、リンチは相当深く超越瞑想にはまっているようで、ここ数年は映画製作そっちのけで、財団を設立して若者への瞑想普及運動に励んでいます。

■ 100万人の学生に超越瞑想を教える  世界的キャンペーン(意識、創造性、脳の全体的機能に関する教育会議)

ハリウッドの著名な映画監督であるデイヴィッド・リンチ監督は、36年前に超越瞑想を学び、以来一日も欠かさず瞑想を行ってきたと語っています。「超越瞑想に興味をもったきっかけは、『真の幸福は内側にある』という言葉を聞いたときです。そこに真実の響きを感じました。そして私は、この内なる幸福を、瞑想を学んだ最初の日に体験したのです。私は座って、目を閉じて、瞑想を始めました。すると、突然エレベーターのケーブルが切れたかのように、ドーン!と、至福の中へと入っていったのです。それは、まさに私が望んでいた体験でした。内側に潜るとき、そこには真の幸福があります。そして、これまで自分を傷つけていた、怒り、憂鬱、悲しみ、恐れ、不安といった否定的な感情が薄らいでいきます。瞑想は『しなければならない』というものではありません。私たちは毎日瞑想したくなるのです。」

ドキュメンタリーの主役、超越瞑想の創立者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーは、1960年代のヒッピー文化に大きな影響を与えたインドの思想家で、当時ビートルズやビーチ・ボーイズが彼を師と仰いでインドまで赴いたことで知られています。

■ マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(Wikipedia)

ビートルズは、インドのリシケシュで TM を受講した。マハリシは高額なお布施(当時TMは、年収の10分の1が基準であった)を要求し、随行メンバーの女性に"性的興味"を示したという関係者の主張の後、ビートルズは彼に対する失望を露わにして TM から離れた。マハリシに対する皮肉はジョン・レノンにより『セクシー・セディー』という曲に表れる。マハリシ側は上記の話を根拠のないものであると主張している。彼らによれば、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンは後年マハリシに対する支援を表明し、決別の前も後もマハリシはビートルズのファンであり続け、彼らを「地上に降り立った天使」とまで呼んだという。

■ セクシー・セディー(Wikipedia)

ビートルズがマハリシと決別した理由は、従来、関係者からマハリシの俗人性を聞かされて疑問を抱いたからだとされている。とりわけジョンはマハリシの俗人的行為を聞き、落胆したと言われている。しかし、マハリシの弟子で、ビートルズのメンバーとも親しかったディーパク・チョプラによると、ビートルズがマハリシと決別した原因は、ビートルズやミア・ファローなど彼らの取り巻きたちが、マハリシの道場で麻薬やLSDをやったことに対してついにマハーリシが退去を求めたことによるという。

決別したところまでは知っていましたが、後にポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンが支援を表明していたのは知りませんでした。調べると、リンチが主催した超越瞑想のチャリティーコンサートにポール・マッカートニーとリンゴ・スターが出演して、瞑想の素晴らしさについて語っています(→Link)。ジョン・レノン以外のメンバーは、皆、超越瞑想を続けていたようです。

ビーチボーイズもマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーと関わりのあったグループです。1968年のアルバム「Friends」はマイク・ラヴが超越瞑想にはまっていた時期の作品で、超越瞑想についての曲がいくつかあります。「Transcendental Meditation」というそのもののタイトルの曲もあります。「Anna Lee, the Healer」はマハリシの弟子についての歌で、「アナ・リーが手をかざせば、あっという間に癒されます」というような、超越瞑想に興味の無い者にとっては、駅前の光景を連想させる、あんまりな内容の歌詞ですが、すごく美しい曲です。

このアルバム時のアメリカツアーにはマハリシが同行していて、彼の講義がライブとセットになっていました。興行的には失敗だったそうです。

リンチに話を戻すと、彼が超越瞑想に没頭しているのも、やはりファンのあいだでは賛否両論で、このニュースを扱ったサイトのコメント欄には「早く帰ってこい」という意見も多くみかけます。やはり自分も「いわゆるデヴィッド・リンチらしい映画」が早く見たいです。

News : 2009年11月19日 21:26

ブックマーク

Yahoo!ブックマークGoogleBuzzurlニフティクリップlivedorr clipdel.icio.usはてなブックマークDavid Lynch 次作はビートルズに影響を与えたインドの導師マハリシのドキュメンタリーのはてなブックマーク数

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL :
http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/mt-tb.cgi/396