2010年04月12日 12:18

ベルリン版「24」(ネットですべて見れる)のサントラ / Gute Luft - Thomas Fehlmann

Gute Luft - Thomas Fehlmannドキュメンタリー番組「24h Berlin」のサウンドトラックをドイツテクノの巨匠が手がけました。

[音楽/レビュー]
タイトル : Gute Luft - Original Soundtrack from the "24h Berlin" TV Documentary
アーティスト : Thomas Fehlmann
レーベル : Kompakt
リリース年 : 2010/4

ドイツテクノの大重鎮、Thomas Fehlmann(トーマス・フェルマン)の3年ぶりのニューアルバムは、ベルリンの人々の1日の生活を追ったドキュメンタリー番組「24h Berlin」のサウンドトラックです。Kompaktのサイトで一曲フリーでMP3を配布しています(→Link)。

Thomas Fehlmannはアルバムやレーベルにあわせてしっかりコンセプトを立てて作品作りする人だと思うのですが、このアルバムの場合は、多くの曲が3.4分程度の小品で、温かみのあるシンセ&ディープなエコーの響きの中に、ほのかにポップなメロディが浮き沈みするような作風です。

ドキュメンタリー番組のサウンドトラックとして作られた作品だということで、これらの曲がどのように番組に使われたのか聴いてみたいとネットを探すと、その番組の英語字幕版の動画を見つけました(→Link)。

「ベルリン市民の1日を24時間ドキュメントしたTVプログラム」って一体どういうことなのだろうか、と思いきや、この「24h Berlin - A Day In The Life」という番組、全24回の1時間番組で、2008年9月5日の午前6時から6日の朝5時までの24時間を1時間ずつ、それこそ米ドラマの「24」のように、何十人ものベルリン市民の生活を時間軸に沿って並行に見せていくという、画期的なスタイルのドキュメンタリーです。全24回1440分の番組の映像がすべてノーカットでネットに上がっています(視聴には登録が必要ですが無料&らくちん)。

24h belrin 画像

これが最高に面白い!ドイツ語がわからなくても簡潔な英語の字幕がついているので、だいたいの雰囲気は掴めます。虚飾の無いありのままのドイツ人の生活が見られるので、「ドイツ人はこんなの食ってるのか」「ドイツ人はこんな部屋に住んでるのか」「ドイツにはこんな決まりがあるのか」「ドイツ人はこういうの恥ずかしくないのか」など、ドイツ(ベルリン)について理解を深められる素晴らしい番組です。

テクノっ子的には、ベルリンの夜といえばナイトクラビング。深夜0時から3時頃の回にはRicardo VillalobosとPaul Van Dykeが登場します。Ricardo Villalobosはスタジオでの音楽制作風景やクラブでのDJプレイの様子、Paul Van DykeはTresorの事務所で寿司を食う様子や、クラブのほうのTresorでのライブにじっくり密着しています。

Paul Van Dyke 画像

▲ Paul Van Dyke「日本人はオニギリやイニギリを食ってるからヘルシーなんだ」。

Ricardo Villalobos 画像

▲ Ricardo Villalobosのスタジオ。オーダーメイドのスピーカー。

番組内でのこのアルバム「Gute Luft」の収録曲の使われ方ですが、この番組の音楽にはもう一人別のドイツ人(ドイツの映画やテレビ番組のサントラを多く手がけている人のよう)が関わっているようで、そっちの人の作ったらしき分かりやすいメロディアスなテクノが多く使われていて、Thomas Fehlmannの曲は、各1時間の番組ごとに1.2曲が数秒使われている程度です。番組のタイトル曲も別人の曲のようです。このアルバムだけ聴いてるぶんにはそこそこポップに感じましたが、サントラとして使うには、これでも地味過ぎて使いにくかったのかもしれません。

Review : 2010年04月12日 12:18

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