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2010年09月02日 14:05
夢芝居も下の階層へ / インセプション
恋のからくり夢芝居、台詞ひとつ忘れもしない。
産業スパイが夢泥棒する話。監督は「メメント」「プレステージ」「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン。
夢を階層建てにして深く潜り込んでいくというアイディアが抜群に面白い。これまでにも夢を扱った映画は数多くあれど、夢映画の定番「夢ならなんでもアリでしょ」に陥っておらず、とてもシステマティックでスマートでわかりやすい内容でした。しかし、セリフをひとつ聞き逃すだけで映画から脱落してしまうくらい骨のあるハードな作りです。
この映画の軸は、デカプリオ演じる主人公コブの妻への想いです。現実と非現実を自由に行ったり来たりできるという設定は「マトリックス」を思い出しますが、あちらが古式ゆかしいヒーロー活劇っぽい浮世離れした映画になっているのに対して、こちらは活劇でありながらも、より身近で人間的なテーマを描いています。夢に潜入するための機械についての説明が全く無いのも意図的なものでしょう。
「マトリックス」から10年以上たって、CGやアクションで目を引くだけでなくて、更に複雑なものを取り込んで、映画が一歩深い表現にたどり着いていることに驚きます。想像を越えるシーンの連続でとても面白かったです。
音楽はクリストファー・ノーラン作品で常連になりつつあるハンス・ジマー工房。ここ数年では珍しく打ち込み度の高い音楽をやっています。印象的なギターを弾いているのは、なんと元ザ・スミスのジョニー・マーです。上映プレミアパーティーで両者が共演した動画があります。
こういうライブのステージにも普通にノートパソコンが出てくるようになりましたか。
映画館で映画を観る時、自分が密かに楽しみにしているのは、爆発をスローで見せるときなどに聴ける「ドューーーーーーン」という沈み込むような重低音。「インセプション」では超一流の「ドューーーーーーン」が聴けました。
Review : 2010年09月02日 14:05
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