matsu & take

Kraftwerkが4月10日からニューヨークのMoMAで連夜ライブをやってるのを記念して、Kraftwerkのカバーアルバムをご紹介。去年末にリリースされた、スイスのジャズバンドMenschMaschineによる全曲Kraftwerkカバーのアルバムです。グループ名はもちろん「Man Machine」のドイツ語表記「Mensch Maschine」から。

13曲プラス隠しトラック1曲で全14曲収録。ジャズカバーと聞くと高級ホテルのラウンジバー的な企画臭の強いカバーに身構えてしまうと思いますが、これはなかなかラウンジバーでは聴けない挑戦的な内容です。元曲のフレーズやリズムを不必要にいじりすぎず、しかし崩すところはジャズ的な発想で大胆に崩す、尊敬具合と逸脱具合が素晴らしいバランスでつりあっています。おまけにファンキーときたもんですから、これはもうたまりません。

バンドは4人組で、楽器構成はピアノ、ホーン（テナーサックス・バスクラリネット）、ドラム、ベース。ピアノのOli Kusterという人物がリーダーのよう。シンセを使ったりエフェクターを使ったりの小手先テクノ感は皆無です。真っ向勝負。あのシンセのフレーズをピアノでこう表現するのか！あのリズムをこう叩くのか！という驚きがたくさんありました。一曲「Das Model」だけ歌ゲストあり（ドイツ語歌唱）。

このアルバムの存在を知ったのは、Kraftwerkでカバー曲といえばもちろんこの人、Kraftwerkカバー蒐集家のDJ Food大先生。DJ FoodがKraftwerkのニューヨーク公演にピッタリ照準を合わせて公開したライフワーク、Kraftwerkカバー曲しばりのDJシリーズの最新作「Kraftwerk Kover Kollection Vol.7」、このミックスの中に「Hand Werk」から3曲が取り上げられています（→Link）。

DJ Foodのブログにも「いやーSenor Coconutのアルバムも天才的だったけど、最近だとMenschMaschineが最高だねー」的なことが書かれています。特に隠しトラック「Spacelab」が聴いたこと無いくらいに素晴らしいとも。自分もそう思います。