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2012年06月03日 18:22
R&Sが2012年にリリースしたテクノの90年代感 / Galaxy Garden - Lone
1991年の水晶の洞窟。
イギリスのMatt CutlerさんによるLoneの5枚目のアルバムは90年代レイブ調の元気のいいテクノ。
この音がR&S Recordsから2012年にリリースされるっていう事実に「テクノも一周回ったな」という感慨を強く持ちました。照れみたいな部分がまったく無くストレートに90年代しています。90年ごろのイギリスのレイブや初期のドラムンベースを入り口にテクノを聴き始めた者としては、この雰囲気には逆らえないですね。このシンセの和音。Loneさんは26歳くらいで、R&Sで好きなレコードはAphex Twin「Classics」だそうです。
Loneのこれまでの曲は「そこまでやらなくても…」というくらい圧縮されてくぐもった独特の音質で、曲のテンポもBPM125くらいが中心、デトロイトテクノっぽさが強かったと思うのですが、今作「Galaxy Garden」はかなり音色がクリアでテンポも速いです。前作「Emerald Fantasy Tracks」をリリースして以降はライブやDJを多くやっていたそうで、そういう活動がフィードバックされた結果の、このストレートさなのかもしれません。
デジタルシンセに最初から入ってそうなキラッキラなシンセの音色と、BPM140くらいの重低音たっぷりの曲調から、強く90年代イギリスを感じるのですが、リズムの組み方なんかはとても現代的で、単純な90年代懐古やパロディになっていないところに、テクノも一周回ったけどドン詰まりのループ2周目というわけではないと感じられて、聴いていて少し嬉しいですね。「Dragon Blue Eyes」「Cthulhu」「Earth's Lungs」など、曲タイトルがやたらファンタジーで、少々もやしっ子っぽい部分にもなぜか共感が高まります。
Review : 2012年06月03日 18:22
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