matsu & take

70年代後半〜80年代前半頃のミネアポリスのローカルなファンクバンドの音源を集めたCD2枚組コンピレーション＋豪華ハードカバーのブックレット。

ミネアポリスでファンクといえばもちろんプリンス。プリンスがメジャーレーベルと契約して全米、全世界へと飛び出していく前の段階、まだプリンスではなくネルソン・プリンスとしてGrand Centralというバンドで活動していた時代に、地元で互いに切磋琢磨していたバンドのデモ音源やレア音源がたっぷり収録されています。

Jam & Lewisの所属したFlyte Tymeのデモ音源（「Funkytown」でおなじみLips Inc.のCynthia Johnsonがボーカル担当）や、Jimmy Jamが学生時代に組んでいたバンドMind & Matter、若かったネルソン・プリンスの能力に早くから気付いてレコーディングに参加させていた94 East、「パープル・レイン」での世界的ブレイクを前にRevolutionを抜けた元ルームメイトAndre Cymoneが手掛けたいくつかのバンドなど、話には聞いたことがあっても音を聴いたことなかったようなグループの音をいくつも聴くことができました。

プリンスと直接関係無さそうなバンドの曲も収録されてますが、ブックレットを読んでると「メンバーの〇〇は〇〇の従兄弟」とか「ギターの〇〇は後にオーディションを受けて〇〇のメンバーに」というような薄い繋がりがあったり無かったりするので油断できません。昔からプリンスが地元の無名ミュージシャンを数多くフックアップしていたことが再確認できました。

ブックレットがとても素晴らしい出来で、全142ページ、関係者のインタビューから各バンドの詳細なバイオグラフィや、写真、各トラックの詳細なクレジットなど、その筋のマニアの皆さんだったらブックレットだけで十分満足できる内容だと思います。