matsu & take

「Art Official Age」と同時リリースのアルバムで、名義は「Prince and 3rdEyeGirl」。今のプリンスのバックバンドの3人組女性バンド中心のアルバムですが、36枚目のプリンスのアルバムとしてカウントされるそうです。

期待より全然よかったですよ。わかりやすくファンキーなロックアルバムです。

そして、ファンキーなロックに挟まれて入っている静かな2曲「Whitecaps」「Tictactoe」がとても素晴らしいです。どちらも3分程度のシンプルな小品で、まるで80年代の未発表曲を聴いているかのような錯覚に陥る、Wendy & Lisa感あるドリーミーな曲です。この感じはかなり久しぶりで、個人的にはこの2曲だけでアルバム代を回収した気分です。

プリンスが歌ってる曲はアルバム全体の半分くらい。Hannah Fordのリードボーカルが少し魅力不足な感じが否めませんが、悪くはないです。両アルバムに入ってる「Funknroll」は、自分はこっちのライブバージョンのほうが断然好きです。

この「Plectrumelectrum」には「Art Official Age」のようなギラギラした「売ってやるぜ」感は皆無ですが、楽しんでやってるのはこっちのほうなのでしょう。3rdEyeGirlを引き連れてやってる最近のライブのアレンジは、このアルバムの雰囲気に近いです。とにかく来日してライブを見せて欲しいです。

ちなみに「Art Official Age」のほうに共同プロデューサーとしてクレジットされているJoshua Weltonさん、ライブでは彼がサポートキーボードとしてステージで演奏することもあるようですが、このアルバムでは複数いるミックス担当者の中のひとりとしてクレジットされているのみで、音から彼のテイストは感じられません。しかし、ブックレットの中にはサングラスをかけた彼が、奥さんのHannah Fordと絡み合う写真が1ページ丸々使って大きく載っています。ここでも破格の好待遇です。