matsu & take

MTVアワードで大暴れしてツアーが中止になったり、死亡説が流れたり、公私に渡っていろいろと大忙しのラッパー、カニエ・ウエスト（Kanye West）と、新作映画「かいじゅうたちのいるところ」が今週アメリカで公開されて大ヒットを記録しているスパイク・ジョーンズ（Spike Jonze）の二人が、なにやらショートムービーを作っているらしいという情報が春頃にありました。9月にiTunesStoreで販売されるという話だったはずですが、これが唐突にネット上の動画サイトで公開されました。

自分が見たのは12分くらいあるバージョンでしたが、それはすでに削除されていて、短縮されて画質の良くない上の映像しかありませんでした。それもいつまであるかわかりませんので、お早めにどうぞ。

カニエが自分のブログからリンクを貼っていたので（今は削除されています）、公式に公開されているのかと思ってました。New York Timesに掲載されたSpike Jonzeのインタビュー（→Link）を読むと、出回った映像はまだ未完成のもので、動画サイトでの公開は意図的なものではなく、リークだったようです。

「We Were Once A Fairytale」と名付けられたこの映像の内容は、ベロベロに酔っぱらってイヤな感じのカニエがクラブでひと暴れ、小部屋でセックスしてひと休み、目が覚めるとトイレに駆け込んでげーげー花ビラを吐いて、ナイフ拾って切腹したら体からネズミが出てきてこんにちわ、さようなら、という不思議な内容です。

監督によると映像のテーマは「敗北と孤独」。最後に出てくるネズミのような生物は「かいじゅうたちのいるところ」に出てきそうな造形です。MTVアワードでの一連の騒動を受けてのメッセージとも取れる内容ですが、撮影日程的には何の関係もなさそうです。クラブのシーンで後ろに流れている曲は「See You In My Nightmares」のリミックスのよう。

このショートムービー「We Were Once A Fairy Tale」は、iTunesStoreで動画を販売することの実験を目的として作られたものだ、とスパイク・ジョーンズ監督は上のインタビューの中で語っています。そうなると、今回のリークによって実験としての意味は薄らいでしまったことになります。とはいえ、リークが実験にどういう影響を及ぼすのかにも興味を抱いているそうで、近日中に完成版が公開されることは間違い無さそうです（10月27日という情報あり）。

スパイク・ジョーンズとカニエ・ウエストは「Flashing Lights」のビデオでもタッグを組んでいます。これもショッキングで面白い内容です。