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2008年04月05日 22:16
クローバーフィールド HAKAISHA
予告編以上のモノがちゃんとあった!
この手のパニック映画やホラー映画は、本編よりも3分くらいにまとめた予告編が一番面白かったりするパターンが多いのが現実。この映画も出来過ぎた予告編に公開前に上がりまくったハードル、さてどうなることかと思えば、ちゃんとそれ以上のモノが用意されてました。よく指摘される911テロの追体験的なものというよりは、怪獣が都会の真ん中で大暴れするという疑似体験をストレートに描いているからこその強度があると感じました。
全編が手持ちホームビデオの手ブレ映像ということで、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢を想像してしまって、映画館スルーDVDレンタル決定の人も多いことと思います。が、絶対映画館で見るべきです。ボッカンボッカンボエーボエーと音はすごいし、ちゃんと満足いく形で「何か」と対峙することが出来ると思います。
踏み絵を提示するなら、酷評の嵐が吹き荒れたスピルバーグの「宇宙戦争」を楽しめた人は絶対に見に行くべき。あれ以上にアドレナリン大放出のリアリティで、見終わった後にはドっと疲れました。「宇宙戦争」がダメだった人は絶対にやめといたほうがいい。自分は「宇宙戦争」肯定派です。
先に書いた「ブレアウィッチプロジェクト」とこの「クローバーフィールド」の共通点は、手ブレビデオ映像の部分もそうですが、映画公開前のネットを使った巧妙な宣伝・マーケティングの部分の方に大きいように思います。前者はフェイク都市伝説サイトや事前のフェイクドキュメンタリー番組、後者はタイトルを伏せた予告編にフェイクの情報サイト、YouTubeのニュース映像、日本企業タグルアトのサイト、Slusho!、などなど。
両者の決定的な違いは、「ブレアウィッチプロジェクト」は、それらの予備知識が無いと映画を微塵も楽しめない(今出てるDVDはその辺全部まとめて入っているので、順番通り見たらちゃんと楽しめました → Amazon)。「クローバーフィールド」の方は、予備知識があったら鑑賞前・鑑賞後に楽しみが増える程度。結果的には見てなくても全然オッケーでした。とはいえ、今回のパラマウントジャパンのプロモーション、日本だけ公開が遅れたのは単に配給会社再編成のドタバタに巻き込まれただけってことだったのか、欧米と同タイミングで公開されてたら公開前の数々の仕掛けが効いて、映画のイベント性も数倍に跳ね上がっただろうに、非常に非常に非常に残念。
この「クローバーフィールド」、ピュアな破壊とピュアなパニックを追求した映画としても200%楽しめますが、意外にストーリーの軸には人間ドラマが据えられていて、無編集のビデオテープという体裁なのに、お話としてちゃんと形を成しているのには感心しました。それもちゃんとこの映画のホームビデオ撮影という特性を生かした捻りを加えて描いてあって、他にもホームビデオという小道具を生かした小技にいちいち感心しました。また、日本の某怪獣映画に対するオマージュにニヤリとする仕掛けもあって、客電がつくまで座席を離れられません。
映画冒頭のパーティーシーンではParliament「Give Up The Funk (Tear the Roof Off the Sucker)」が流れます(→ その他の曲のリスト)。そこも含めて近年で最高の映画でした。ちなみに自分は全く映像酔いしませんでした。本編前に「インディージョーンズ4」の予告編も流れます。
近年最高ということではドラマ「LOST」も自分にとって近年最高のドラマで、両作品のプロデューサーであるJ.J.エイブラムスの株はさらに上昇しました。「エイリアス」もちゃんと借りて見てみようかと思います。
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Review : 2008年04月05日 22:16
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