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2009年03月17日 14:08
When Machines Exceed Human Intelligence - Harmonic 313
20周年を迎えたWarpの今の一枚。
2月頭の発売でしたが、他より数百円安く買えるということで昨年12月にAmazonでUK盤を予約注文したら、入手できたのは見事3月上旬。いわゆるKonozamaというやつ。
さて本題、元Global Communicationで元Jedi Knights(やはりTom Middletonとはコンビ解消したらしい)、我が敬愛するMark Pritchard先生のソロユニット「Harmonic 313」待望のデビューアルバム。
ユニット名の「313」はデトロイトのエリアコード(電話の市外局番のこと?)だそうで、この名義にとって「デトロイト」が大きなキーワードになっていることがわかります。
お得意のデトロイトテクノ的なシンセのメロディーに、Jay Dee的デトロイトヒップホップやダブステップっぽいサウンドが組み合わさって、そこにレトロフュチャーを意識した8bitなSEが味つけ、ベースラインは今らしいギラギラした音色。これらが単純なキーワード集めの足し算に終わるのではなくて、最終的に音数少ないシンプルなサウンドに結実してアウトプットされるのが凄い。
やっぱり音がいい。昔からそうですが、テクノ、アンビエント、エレクトロ、ハウス、ブレイクビーツ、この人はどんな種類の音楽をやってもドラムの抜け具合が抜群に素晴らしい。全然ゴチャゴチャしないし、ドラムマシンをシンプルに使ってもショボく聴こえない。どこかでサウンドエンジニア的な基礎をしっかり学んでいたりするのでしょうか。
HMVのサイトにマーク・プリチャードへのインタビューがあって、そこで今作のコンセプトについて説明されています。
■ HMVインタビュー: Harmonic 313(HMV)
2、3曲を作ってみてから、そのプロジェクトに合うプロダクションスタイル、時代、ジャンル、インスピレーションを考えて、加えていくんだ。このアルバムでは、デトロイトテクノ、デトロイトヒップホップ、UKのエレクトロニカ、あとUKで変化したジャングルとかガレージがメインになっているよ。で、それだけではお決まりの古いスタイルになりがちだったから、自分なりのちょっと異なったテイストとリズム、ビートで仕上げたんだ。
コンセプトはしっかりたてているようですが、コンセプト先行ではなく、2、3曲作って、そこから自然につかみ取ると。アルバムのブックレットには「Tomorrow's World Tomorrow - Creative Artificial Intelligence In A Post-Singularity Society」と題されたマーク・プリチャードの論文が掲載されています。「マシンが人間の知性を超えたら何が起こるのか」。
そういえばマーク・プリチャードへのしっかりした長めの日本語インタビューって、読むの初めてかも。インタビューの中で、今年は3枚のアルバムをリリースする予定があるといっています。まずHarmonic 313(このアルバムのこと?)、Africa Hitechという名義、あと一枚はなんとreload名義!
■ 追記
シングル・バージョンの「Battlestar」がアルバムとはアレンジが全然違って。ビデオもすごく格好いいので貼っておきます(→iTunesStore)。
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Review : 2009年03月17日 14:08
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