2009年05月15日 11:49

Dark Night Of The Soul - Danger Mouse and Sparklehorse

Dark Night Of The Soul - Danger Mouse and Sparklehorseなんと、CDリリースされません!(追記有り)

[音楽/本/レビュー]
タイトル : Dark Night Of The Soul
アーティスト : Danger Mouse and Sparklehorse
レーベル : Power House Books
リリース年 : 2009/6
試聴 :

Danger MouseとSparklehorseによる謎のプロジェクト「Dark Night Of The Soul」。

▲ Danger Mouse And Sparklehorse - Dark Night Of The Soul (Teaser)

まず豪華ゲスト陣が発表、続いてDavid Lynch制作の上のCMが公開、David Lynchの手がけた写真集がCDに付属されることが告知され、6月リリースに向けて期待が高まっていたところに、Danger MouseとEMIとの間に法律上の問題が発生して、なんとCDがつかないことになったと伝えられました。つまり、この作品は「写真集」です。

こんな土壇場で法的な問題が発生するとは、レコード会社の関与無しに本の出版社との間だけで進めた企画だったんでしょうか。アメリカの音楽業界の構造変化はもの凄いスピードで進んでいるようです。

■ Dark Night of the Soul Book & Blank CD-R (Includes Free Original Poster)(Dark Night of the Soul)

Please note: Danger Mouse was unable to include music on the CD because of legal squabbling with a major label. Therefore, he has included a blank CD-R as an artifact to use however you see fit.

5,000部限定で、装丁と写真はDavid Lynchが担当。Amazonの情報によると、本は104ページもあります。そして、レーベル面がデザインされたブランクのCD-Rが1枚付属しています。ご自由にご使用ください。

Dark Night of the Soul Book & Blank CD-R

▲ Dark Night of the Soul Book & Blank CD-R

今後この作品の音楽部分がどのような形で正式リリースされるのか、現段階(09/5/15)ではわかりません。付属されたCD-Rから「どこかに音源を流出させるからキャッチしてそこに焼き付けろ」というメッセージを受け取ってしまうのは飛躍し過ぎでしょうか。

ひとまずアメリカのラジオ局NPR (National Public Radio)のサイトでアルバム全曲がフルでストリーミング試聴できるようになっています。高音質で、一曲ずつ飛ばして聴くことも出来ます(→Link)。

以前「David LynchがDanger MouseとSparklehorseのコラボ作にミュージシャンとして参加?」というエントリーをあげました。David Lynchの参加について、自分は「ビデオだけかもしれないけど、このポスターでの扱いを見ると演奏してる可能性有り」と予想しました。

さて、答え合わせ。やはりDavid Lynchはビジュアル面だけでなく音楽の方にも関わっていました。演奏もしているかもしれませんが、おもに歌で参加しています。歌はコーラスとかバックボーカルといった軽いものではなく、メインボーカルを大マジで歌っています。しかも2曲で歌っています。あのポスターに書かれた名前一覧は、参加ボーカリストの一覧でした。

この「Dark Night Of The Soul」というプロジェクトは、DangerMouseとSparklehorseが曲を作り、そこに様々なゲストボーカリストが歌声をのせていくような形です。参加しているのは、Black Francis (Pixies)、Julian Casablancas (The Strokes)、Vic Chesnutt、The Flaming Lips、Jason Lytle (formerly of Grandaddy)、James Mercer (The Shins)、Nina Persson (The Cardigans)、Iggy Pop、Gruff Rhys (Super Furry Animals)、Suzanne Vega、そしてDavid Lynch。上のCM映像や100ページを超える写真集まで手がけているということは、実質DangerMouse、Sparklehorse、David Lynchの3人によるコラボレーションといっても過言ではないでしょう。

▲ Little Girl - Danger Mouse and Sparklehorse ft. Julian Casablancas

▲ Danger Mouse and Sparklehorse - Dark Night of the Soul - The Man Who Played God ft.Suzanne Vega

DangerMouseとSparklehorseの共通点がそこにあるのか、少し憂いのあるアメリカのルーツ音楽がアルバムの土台になっています。ボーカリストごとにフォークっぽかったりカントリーっぽかったりインディロックっぽかったり、曲のテイストが若干異なってくるのは、ボーカリストが曲作りにも参加しているからか、ボーカリストをイメージした曲作りが為されたのかでしょう。Iggy Popは熱苦しいパンクロック、Suzanne Vegaは優しいフォークロック、アルバムの統一感という点では少し弱いですが、コラボレーションの場を楽しんでつくられたことは感じられますし、どの曲にも最適な装飾をほどこして簡潔なポップソングに仕上げるあたりに、Danger Mouseのプロデュースワークの巧みさを感じます。

そして、David Lynchの2曲「Star Eyes (I Can't Catch It)」「Dark Night Of The Soul」。アルバムのタイトルトラックでもある「Dark Night Of The Soul」がリンチらしくて、ザラザラした曇った音像の中に「ジャラ〜〜ン」っていう例の歪んだギターが鳴り響く、素晴らしく頽廃したブルースです。まるでドラムの鳴っていないPortisheadのよう。リンチの声のトーンも個性的で、ボーカリストとして全然イケます。次は是非リンチのソロアルバムをこの組み合わせでお願いします。

▲ David Lynch "Dark Night of the Soul"

アルバムが一日も早く日の目を見ることを祈ります。

追記:10/07/19

いろいろあって、正式にリリースされることになりました。パッケージは変更されているようです。動画もセットになったネット配信も用意されています(→Link)。

Review : 2009年05月15日 11:49

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