2013年06月05日 15:25

Tabu再発シリーズはボーナストラックの音が悪くて残念 / Fragile & High Priority - Cherrelle

Fragile / High Priority本編は最高です。

[音楽/レビュー]
タイトル : Fragile / High Priority
アーティスト : Cherrelle
レーベル : Tabu
リリース年 : 1984/1985

Tabu Records再発シリーズの中から、女性のソロ歌手Cherrelleの1stアルバム「Fragile」と2ndアルバム「High Priority」を購入。

両アルバムともFlyte Tyme ProductionsことJam & Lewisが大きく関わったアルバムで、1stのほうは8曲中5曲がJam & Lewisのプロデュース、2ndのほうは全曲Jam & Lewisプロデュースです。

1984、1985年というミネアポリスのファンクミュージックが注目を集めていたピークの時期の作品で、音もまさにそういう感じ。趣向が凝らされたドラムマシンの音や、アナログシンセによる分厚いホーンセクションの音など、デジタル化が進行する前のJam & Lewisの音が鳴っていて、彼ららしいフレーズも満載、ミネアポリスファンク好きとしては感涙の極みです。少し高めなCherrelleのボーカルも元気が良くて、せわしないバックトラックによく合っています。

Jam & Lewisの出世作のJanet Jackson「Control」が1986年ですから、同じ黒人系女性ソロアーティストという共通点からも、この2枚のアルバムが、Jam & LewisにJanet Jacksonプロデュースの白羽の矢が立てられるきっかけになっていることは100%間違いないでしょう。

今年の春にTabu Records再発が始まって、自分はこの「Fragile」「High Priority」と、以前レビューしたAlexander O'Nealの1st「Alexander O'Neal」を購入したわけですけど、この3枚を聴いて、ちょっと追記しておくべきだと思ったことを書いておきます。この再発シリーズ、ボーナストラックのマスタリングの品質があまり良くないです(上の3枚を聴く限り)。

3枚に収録されたボーナストラックのドラムが強い曲のほとんどで、バスドラムのアタック音が潰れた箇所があります。コンプレッサーやリミッターのかけ過ぎなのか、かけ方に気使いが無さ過ぎるのか、ノイズ除去の作業が影響したのか。全部の音ではなくて、ランダムに、所々で潰れています。所々だとはいっても、これでは折角のJam & Lewisの鋭いドラムの音が台無しです。

おそらくマスターテープからではなくてアナログレコード盤からボーナストラックのデータが取られていて(自分はノイズはさほど気にならないのですが)バスドラムの「ドンッ!」という音の「ド」の部分が弱くなっていて、「ポンッ!」という感じになっている部分がいくつもあります。これはいただけません。今Amazonを見たら、ボーナストラックの音質への不満を詳しくレビューに書いてる人がいました(→Amazon)。米国のAmazonにも同様の指摘が多数あります。

マスタリングの品質の悪さを感じるのはボーナストラックだけで、本編のほうは全く問題がないので、本編とボーナストラックは別の人が作業してるんじゃないかと思います。まあ、再発されたというだけで自分は拝みながら有りがたく聴いてますけど、ボーナストラック目当てでの購入を検討されてる方はご注意を。惜しい再発。

Review : 2013年06月05日 15:25

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