2011年06月06日 12:14

Auto-Tuneのアメリカ代表選手T-Painが「Auto-Tuneもう使わない」宣言 そして…

さすが、先駆者の考えることは違います。

Auto-Tune世界中に大ブームを巻き起こした、ボーカル音程補正ソフトAuto-Tuneを過度に使った機械的な声のポップス。流行し始めたのが2005,6年くらい。さすがに5年以上経過しているとなると「ワンパターン」「もう飽きた」の声が大きくなってくるのもしかたなく、Auto-Tuneきっかけでブレイクしたような人達ですら、徐々にエフェクトのかかり具合を弱めて次の方向性を探っている昨今です。

次の方向性を探っているのは、Auto-Tuneブームの火付け役であるアメリカのR&BアーティストT-Painも同じのようです。Auto-TuneのメーカーAntaresと一緒にiPhoneアプリ「I Am T-Pain」(→記事)をリリースするほどにガッチリとタッグを組んでいた彼までもが、ついに脱Auto-Tuneを宣言しました。

■ T-PAIN VOWS TO NEVER USE AUTO-TUNE AGAIN(nappyboyonline.com)

二度とAuto-Tuneを使わないことを、今、ここに誓います。

Auto-Tuneをやめて生声で歌うのかと思いきや、予想外の展開。独自のボーカルエフェクトソフト「T-Pain Effect」を開発中だと明かしました。開発メーカーはAntaresではありません。

■ T-Pain Partners with iZotope, Exclusive Provider of The T-Pain Effect(iZotope)

iZotope is proud to announce our partnership with T-Pain, the world-famous recording artist and producer with that distinctive vocal sound.

iZotopeはマスタリング用プラグイン「Ozone」で知られるアメリカのオーディオソフトメーカー。最近「Nector」というボーカル編集用のプラグインを出しているので、これの技術を応用したソフトになるのではないでしょうか。

iZotopeはアーティストとのコラボレーションに積極的で、昨年はエレクトロニックダンス系アーティストのBTと組んで本格的なライブエディットプラグイン「Stutter Edit」(→Link)をリリースしています。今回のT-Painとのパートナーシップもこれと同じような形のものだと思われます。

話を戻すと、「Auto-Tuneもう飽きた」っていう声は、「Auto-Tuneというプラグインの音に飽きた」ということではなくて、ああいう機械ボイスを使ったポップス全般に飽きたという意味だと思うので、別のメーカーの類似ソフトを使うという解決策を聞いたときは「え?どういうこと?」と思いました。ですが、「誰が何と言おうと、まだまだこれでいきまっせ!」という強い意志が感じられて、かえって応援したい気持ちになりました。iZotopeとのソフトが面白いものになることを期待しています。

今年(2011年)の秋にはパソコンやiPhoneが無くてもケロケロできる「I Am T-Pain Mic」が発売予定です。40ドル。お子様にいかがでしょうか。

まだまだこれで稼ぎまっせ!

追記:11/7/21

T-Pain Effectがリリースされました(→Link)。

これひとつでビート制作からボーカルの録音、エフェクト、ミックスまでできるというオールインワンのソフトウェアです。操作は簡単そう。エフェクトとビート制作の部分はプラグインとして仕様可能。今のところダウンロード販売のみで、お値段は99ドルです。

News : 2011年06月06日 12:14

ブックマーク

Yahoo!ブックマークGoogleBuzzurlニフティクリップlivedorr clipdel.icio.usはてなブックマークAuto-Tuneのアメリカ代表選手T-Painが「Auto-Tuneもう使わない」宣言 そして…のはてなブックマーク数

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL :
http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/mt-tb.cgi/542