2011年05月25日 21:17

アフリカイギリス間は何マイル? / 93 Million Miles - Africa HiTech

93 Million Miles - Africa HiTechGlobal CommunicationとSpacekのアフリカン・ベースライン。

[音楽/レビュー]
タイトル : 93 Million Miles
アーティスト : Africa HiTech
レーベル : Warp
リリース年 : 2011/5

Global CommunicationのMark PritchardとSpacekのSteve Spacekの、イギリス生まれシドニー在住のご両人によるユニット。アルバムタイトルの「93 Million Miles」は地球と太陽のあいだの距離だそうです。

ダブステップ&Spacekの歌声的なポップなアルバムになるのかと思いきや、フリースタイルなリズムが特徴的なアップテンポなクラブミュージックが中心。アフロファンクのような複雑なビートからはユニット名どおりにアフリカを連想しましたが、それ以上に今のUKダブステップ周辺に共通するアンダーグラウンドな雰囲気を強く感じさせる仕上がりです。

■ インタビュー: アフリカ・ハイテック(HMV)

--- ユニットを組むにあたり、もともとコンセプトはありましたか?

スティーヴ・スペイセック: Africa Hitechにコンセプトはないんだ。常に変化する進化系のプロジェクトだね。俺達が愛する音楽、つまりUKのベースラインサウンドが自然に発展していったプロジェクトだ。そして、様々なジャンルの音楽がアフリカとリンクを持っているということを主に表現したかった。例えばアフリカのドラムの音などを聞いても分かると思う。音楽は遡っていくとアフリカというルーツに辿り着くというのが俺達の考えだ。この概念を主に伝えたかった。そして、今まで関わってきた様々なジャンルやスタイル、そしてUKダンスミュージックに対して感じている愛情を表わしたかった。

■ Africa Hitech Interview(HigherFrequency)

――ダブ、アシッド、グライム、テクノ、ハウス、ジャマイカン・ダンスホールといった、様々な音楽の要素を取り入れた作品となっていると感じましたが、作品全体を通してテーマや伝えたかった事はありましたか?

Mark Pritchard : 僕達が個人として、あるいはユニットとして今まで作ってきた音楽は、UKで様々なジャンルの音楽を聴いて育ったことから端を発している。僕はイギリスの西部、サマセットという小さい町で育ったんだけど、そこには海賊放送局があってパーティーをやっていて、レゲエのサウンドシステムがあった。そのグループはクラブやレイブでもパーティーをやっていて、あるフロアではダンスミュージックとヒップホップが流れ、別のフロアではレゲエとダンスホールが流れたりしていた。そのような動きはUKのあらゆる大都市、小さな町でみられた。僕がクラブに行き始めた時期だから80年代後半から90年代初めの話だね。(略)

コンセプト無しという発言からもわかるように、非常にサウンドが自由で、そもそも定義が不明瞭で自由なジャンルであるダブステップですが、その枠組みすら窮屈に感じるフリーダムさ加減です。ベテラン2人のユニットだというのに、2人でワイワイと新しい機材をいじってるのを録音しただけと言わんばかりのザックリとした初期ハウス的荒削り感があります。

ダブステップの源流をドラムンベース、デトロイト、レゲエ…とズーッとさかのぼっていってアフリカまで到達、そのまま359度回ってダブステップの向こう側からこっちを手招きしているような、ちょっと未来でちょっと昔な音楽を聴いてるような不思議な感覚です。

■ 関連サイト

Review : 2011年05月25日 21:17

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