matsu & take

まだネット上での告知はありませんが、現在ABCで深夜1時から放送されている番組「ABC発午前１時」で、7月3日での同番組の終了と、後番組がTBS「JUNK」であることが告知されています。放送を聴いて確認しました。オールナイトニッポンの終了以来、関西ではなかなか聴く事が叶わなかった伊集院光のラジオ番組が、これでANN終了以来19年ぶりに大阪でも聴けるようになります。

ひとつ気になるのは、昨年秋からネットが始まっているMBS（毎日放送：1179）での「JUNK ZERO」のことで、ABC（朝日放送：1008）で「JUNK」がネットされるとなると、「JUNK」が大阪の２大AM局の間で奇妙な「ねじれ」をおこして放送されることになります。

テレビのMBSといえばTBSの系列局ですが、ラジオに関してはテレビ朝日が直系のAM局を東京に持っていない事もあってか、テレビのような厳密なグループ化は行われていないようです。MBSとABCはともにTBSをキー局とするJapan Radio Network(JRN)と、ニッポン放送・文化放送をキー局とする全国ラジオネットワーク(NRN)の両方に加盟していて、これまでも、MBSとABCの間で特に決まりがあるような感じでもなく、ニッポン放送・文化放送・TBSの番組がチョロチョロとつまみ食いのようにネットされてきています。さらに歴史をグッと遡ると、もともとは放送局全体でMBS-ABCの間には開局事情に端を発する「腸捻転」と表現される複雑なねじれ構造があったそうで、wikipediaに詳しく書かれていて面白いので、興味ある方は参照してください（→ネットチェンジ：大阪準キー局「腸捻転」の解消 / wikipedia）。

ABCは他にも朝の帯番組「全力投球!!妹尾和夫です」と夜の帯番組「ミュージックパラダイス」の7月終了を発表しています。7月を境にタイムテーブルの大改革がおこなわれるようです。改革とは言っても、これはもう間違いなく予算削減で仕方なく展開される「撤退戦」で、ABCのサイトで公開されている「2009年3月期決算説明会」の資料（→Link / pdf）を見ると、ラジオの予算が前年比で３億円も減らされていて、14億から11億に、割合にすると20%の大幅な予算カット。プライドを持って自社番組を作り続けていた深夜帯の牙城が、こうしてMBSに続いてABCでも陥落してしまうという現実、この予算削減幅を突きつけられてしまうと避けようのないものに思えます。「あそことあそこが合併する」とか「あそこはつぶれる」とか、大阪ラジオ界再編の噂は絶えませんが、この波はラジオだけじゃなくて、あっというまに地方のテレビ局を飲み込む規模になりそう。

まぁ「深夜の馬鹿力」が聴けるようになって嬉しいんですけどね。

追記（09/06/20）：

サンスポにABCの改編についての記事が載りました。

■ ＡＢＣラジオ、夏の番組改編を発表（SANSPO）

放送中の「ミュージックパラダイス」（月〜金曜後９・１２）に代わり、７月６日からニッポン放送「銀河に吠えろ！宇宙ＧメンＴＡＫＵＹＡ」（月〜木曜後１０・０）、文化放送「レコメン！」（月〜木曜深夜０・０）、ＴＢＳラジオ「ＪＵＮＫ」（月〜金曜深夜１・０）などをネット。