2009年06月16日 23:10

スター・トレック

アメリカ横断ウルトラクイズ!

[映画/レビュー]
タイトル : スター・トレック Star Trek
製作・監督 : J・J・エイブラムス
音楽 : Michael Giacchino
上映時間 : 126分
出演者 : クリス・パイン、ザカリー・クイント

「LOST」「クローバーフィールド」のJ・J・エイブラムスがスタートレックを映画化するっていうんだから見ないわけにはいきません。

▲ 映画『STAR・TREK』2009ロードショー

お話は一番最初のテレビシリーズ(邦題「宇宙大作戦」)の前日談という扱いで、当初は「Star Trek The Begining」という仮題が設定されていました。この作品はあくまで「宇宙大作戦」の「リ・イマジネーション」であって、俳優はもちろん総入れ替え、細かな設定が公式のものと食い違っている部分は「リ・イマジネーション」だから気にするな、とマニアからの攻撃への予防線もバッチリです。「ターミネーター3」的黒歴史化もドンと来い。

自分はスタートレックの知識はほとんど無くて、「宇宙大作戦」を見たのは去年NHK-BSで再放送していたのを見たのがはじめてで、深夜にやってた「新スタートレック」をほんのちょろっとだけ見て、映画をテレビで軽く見たことがあるくらい。マニア(トレッキー)からはほど遠い存在です。J・J・エイブラムス自身もスタートレックにたいした思い入れがあるわけでもないらしく、マニアじゃなくて女性受けを意識して制作したとのこと。

▲ 宇宙大作戦 OP - Star Trek Original Series episode 1 prologue ~ Opening (Japanese ver.)

サイモン・ペグシリアスなSFアクションになるのかな、と思いきや、主役のカーク船長がお調子者っぽく描かれている事も手伝ってコメディ的な軽さがあって、後半には「ホット・ファズ」のサイモン・ペグまで登場して暴れ回る始末。その一方で泣けるシーンもあったりするという娯楽大作の教科書のような作り。「リ・イマジネーション」の予防線を張った割にオリジナルへの配慮も万全で、自分の持ってた程度の予備知識でもキチンとそれぞれの繋がりに驚いたり笑ったり感心したりできました。JJ作品のお約束「slusho!」もしっかり出てきました(→slusho!について)。

ひとつわからなかったのは、オリジナルでジョージ・タケイが演じていた乗組員「ミスター・カトウ」について。映画を見ていて「なんでミスター・カトーが出てなくて、代わりにスールーとかいうアジア人が出てるんだろう?」と疑問に思い、帰って調べたらすぐわかりました。「ミスター・カトウ」の名前は日本語吹き替え独自のもので、原語では「ヒカル・スールー」という名前なんだとか。「宇宙大作戦」の放送を日本語の吹き替えでしか見た事が無かったので全く知りませんでした。

映画館で後ろに座っていたスタートレック歴の長いらしい女性は「メチャクチャ良かった!こんなにいいと思わんかった、テレビシリーズもう一回見直してからまた見たいわ〜」と大絶賛していました。アメリカでも黒歴史どころか大ヒットを記録したようで、続編の制作も決まっています。

音楽は「LOST」「クローバーフィールド」でおなじみのMichael Giacchino。少し古いSF/怪奇映画な雰囲気の曲を作らせたら絶品です。この人はもともとゲーム畑の人で、出世作は「メダル・オブ・オナー」「コール・オブ・デューティー」のシリーズなんだそうです。ゲームに疎い自分も両作品の名前は知ってます。もうひとつ、音絡みで感心したのは、光線銃を撃ったときやワープするときなどのサウンドエフェクトで、オリジナルをリスペクトした、いかにもなレトロなテイストがしっかりあるのに、聴いた事の無いような不思議な味付けがあって、結果的にオリジナリティある音になっています。見逃さぬようにエンドクレジットをしっかり見てたら、出てきた名前はなんとBen Burtt。「ウォーリー」の音を全部やってた人です。匠の仕事、素晴らしい。

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Review : 2009年06月16日 23:10

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