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2012年12月19日 09:40
サポート陣の仕事も素晴らしい2012年を代表する一枚 / channel ORANGE - Frank Ocean
オレンジ通信。
ロサンゼルスのヒップホップ集団、Odd Future Wolf Gang Killing Them All(略称Odd Future)のメンバー、Frank Oceanのメジャーデビューアルバム。歌の人。
すでに各メディアの2012年ベストアルバムに選ばれまくっている、2012年を振り返る上で欠かすことのできないアルバムです。Odd Future関連作はネットでタダで聴けるのを聴いてる程度で、熱心に追いかけてるわけでもなんでもないですが、このアルバムだけはよく聴いています。
なぜ今このアルバムについて書いているかというと、年末恒例の「今年よく聴いたアルバムベスト10」を選びながら、この「channel ORANGE」のCDに封入された小さな小さな文字で書かれたブックレットを眺めていたら、ギターとベースの演奏者の項目に、昔から大好きなジャズベースプレイヤー(正確には6弦ベース奏者)のCharlie Hunterの名前が書かれていたのに驚いたからです。Charlie Hunterの一番有名な仕事は、D'Angelo「Voodoo」での演奏と共作でしょう。
ブックレットには誰がどの曲で演奏しているのかまで細かくクレジットされていないので困るのですが、Pharrell (The Neptunes)とFrank Oceanの共作「Sweet Life」で彼が演奏しているのは間違いなさそうです。アルバムの中で一番好きな曲です。
知ってから聴いてみればCharlie Hunterそのもののベース音でした。とくにアウトロの部分のグルーヴ感。Charlie Hunterの他にも、トランペット奏者のIrvin Mayfieldや歌手のLalah Hathawayといったジャズ畑の人から、John MayerやAndre3000といった有名人まで、幅広いゲストが主役を邪魔しない程度に参加しています。
Frank Oceanの2011年のMixTape「Nostalgia, Ultra」はサンプリング中心な作風でデジタルな質感を感じたのですが、「channel ORANGE」では打って変わっての生っぽさで、この辺はなんだかんだ言っても大レーベルの資金力あってのことなのかなと思いました。John LegendやFantasiaなどの作品を手がけてきたプロデューサーのMalay(マレーシア人だからこの名前だとのこと)という人が全曲の曲作りや楽器演奏、プロデュースに関わっていて、素晴らしい仕事をしています。
ここ数日「このアルバムが最後のアルバムになるかも」みたいなことをFrank Oceanが言っているというのがニュースになってます(→NME)。冷静に読めば「引退宣言」というよりも「いろんな事やりたい宣言」という感じなので、今後いろんなフィールドで活躍してくれるのを楽しみにしています。
Review : 2012年12月19日 09:40
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